急に生理がこなくなる?知って気をつけたい無月経の原因

妊娠や授乳もしていないのに、いままで順調にきていた生理がこなくなった!という経験はありませんか。
そんな症状を 「無月経」 といいます。
「生理がこなくて楽だ」と思う方も多いかもしれませんが、無月経になるには何かしらの問題があることが多いので、放置していてはいけません。
無月経は、治療開始が遅れるほど治療の期間もかかります。
さらには無月経に隠された他の病気を見落としてしまったり、将来の妊娠に影響が出たりすることもある場合もあるんです。
今回は、これから気をつけたい、無月経の原因についてお話します。
無月経の原因には大きく2種類ある
無月経の原因は、大きく2種類に分けられます。
- 生理的無月経:妊娠や出産後赤ちゃんの授乳によって生理がこなくなる
- 病的無月経:生理的無月経以外の原因で生理がこなくなる
原発性無月経:18歳になっても生理がこない
続発性無月経:生理がきていたのに、生理的理由がなく生理がとまってしまう
ここでは、若い女性にもよく起こりうる「続発性無月経」について説明します。
続発性無月経の種類と原因
続発性無月経とは、さまざまな原因で、脳の視床下部や脳下垂体、卵巣の働きに問題があることから起こります。
そのおもな原因ごとに続発性無月経をみていきましょう。
過度なダイエットによる体重減少性無月経

ダイエットをする若い女性によく起こりがちなのが、体重減少性無月経です。
体重が減って体への栄養が足りなくなることによって生理がとまってしまうことをいいます。
ダイエットなどで、体に取り入れられる栄養の不足が起こると、心臓などの大切な臓器に栄養が先に回されます。
すると、子宮などの生殖機能への栄養は足りなくなり、生理が止まってしまうのです。
とくに、体の機能がまだ十分発達していない思春期に、無理なダイエットをして無月経になると、その後、結婚をして子供を持ちたいと思ったときに、不妊症になるなどの問題が起きるので注意が必要です。
心因性(ストレス性)無月経
過度なストレスがかかることで、体のホルモンバランスが崩れて無月経になることもあります。
恋愛や就職、試験など、一時的にストレスが高まると、生理が遅れたりしますよね。
このように、いつもと違う生理の様子でストレスのレベルがわかるともいわれています。
ストレスによる無月経を避けるためには、ストレスをなるべく溜め込みすぎないようにしたり、軽減するような休息や息抜きを意識することが大切です。
激しいスポーツによる無月経
激しいスポーツをする女性アスリートも、無月経になることがあります。
体に過度な運動など負荷がかかると、体は子宮などの生殖に関わる機能を止めて、ほかの大切な臓器にエネルギーを使うようになるためです。
激しいスポーツをやめれば、生理がくることもありますが、生理がこない期間が長期間になると、将来不妊の可能性も出てきますので注意が必要です。
早発閉経
40歳未満で自然に生理がこなくなることを「早発閉経」といいます。
早発閉経にも2種類あり、卵子がまったくなくなってしまったものや、卵子はあるものの排卵しないものに分かれます。
早発閉経の75〜90%の原因はわからないものの、遺伝や免疫、そのほか病気が原因となっているともいわれます。より詳しい原因は、婦人科などを受診することでわかるようになります。
ほかの病気が原因による無月経

脳下垂体に腫瘍がみられたり、精神安定剤などの薬を飲んでいることによる高プロラクチン血症などがあったりすると、それが原因で無月経になることもあります。
特にPMSの心身への症状がひどく、安定剤などを服用している方は、思い当たる可能性の一つになるかと思います。
服薬や手術、または薬剤を中止するなど、様々な治療法があります。主治医とよく相談しながら治療をしていきましょう。
無月経が続くなら早めの受診を
無月経には、今回紹介した原因以外にも様々な原因があります。
原因やその人の状況により治療法も異なりますので、きちんと専門医のアドバイスを仰いだほうが適切な治療が受けられます。
生理がこなくなって「何かおかしいな」と思った時点で、早めに受診をすることをおすすめします。
とくに注意をしなければならないのは、ストレスやダイエット、運動が原因の場合です。
一時的に生理がこなくなる程度だからと軽く受け止めたまま、それを長く放置しないように気をつけましょう。