PMSになりやすい時期に胸が張りやすくなるのは、どうして?

生理前の1週間〜10日前の期間、心や体が不調になる月経前症候群ですが、その時期とくに胸が張りやすくなるのを感じたことはありませんか?
実はこれ、PMSになりやすい時期の女性ホルモンの変化によって、引き起こされているのです。
胸の張りは、人によってはブラジャーがきつくなるほどに胸が張ったり、胸がチクチクと痛んだりということもあります。
今回は、なぜPMSになりやすい時期に胸が張るのかを解説します。
PMSになりやすい時期に胸が張りやすくなる理由
PMSになりやすい時期に胸が張る原因となるのが、女性ホルモン、とくに黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響です。
このプロゲステロンは、生理周期に深く関わっており、排卵後に分泌が増えます。プロゲステロンは「妊娠に関わるホルモン」ともいわれ、排卵後に女性の体を妊娠しやすい状態に変える働きがあります。
女性ホルモンの変化が、浮腫みとして現れる

ここで注目したいのは、プロゲステロンが排卵後に増えると、体の中の体液量(水分量)が増えるということです。
よくPMSの時期に、体がむくみやすくなるのもこの影響によります。
実は、体のむくみと同じように、乳房にも浮腫(ふしゅ)が起こります。
それがいわゆる「胸が張った」状態になります。
PMSの時に起こる胸のチクチクした痛みは、乳房の浮腫みによって圧痛として感じるからなんです。
どうして乳房がむくむの?
では、なぜ乳房がむくんだりするのでしょうか?
それは、乳房の中にある「乳腺」(=母乳を作る組織)に関係があります。
前述のように、排卵後にプロゲステロンの分泌が増えると、体の中に水分を溜め込みやすくなると同時に、この乳腺にも水が溜まりやすくなります。
乳腺と乳腺のあいだに水分が溜まると、浮腫のような状態となり、女性にとっては「胸が張っている」と感じるようになるのです。
胸の張りはいつまで続くの?
では、この乳房の張りはいつまで続くのかというと、結論として、生理が開始するころには軽減します。
排卵後のプロゲステロンの分泌で、乳房のなかの乳腺にも水がたまる、むくんだ状態になることを説明しました。
今度は、月経が始まると、それと同じ時期にプロゲステロンの分泌も減り、乳腺に溜まった水も減少します。
すると、乳房のむくみも減り、痛みや不快な症状も消えていきます。
一方で、これらの胸の張りや痛みがいつまでも続いて収まらないなどがあれば、PMS症状とは違った原因の可能性もありますので、婦人科などを受診することも考えてみてください。
胸が張るなと思ったら、無理をしないこと
PMSになりやすい時期に胸が張りやすくなるのは、女性ホルモンであるプロゲステロンの分泌によって、体が水分を溜め込むのに伴い、胸もむくんだ状態ということがわかりましたね。
それらを知った上で、PMSの周期に合わせて起こる痛みだということがわかっているのであれば、対処もしやすいかと思います。
胸が張って気になるのであれば、ワイヤーレスのブラジャーや大きめなブラジャーを使用したり、胸をしめつけないような上着を選んだりして、快適さを意識して過ごしてみましょう。