妊娠後に変わるホルモンバランス。体にどんな変化があるの?

女性ホルモンについて

妊娠すると、劇的に女性のホルモンバランスは変化をします。
このホルモンバランスの変化は、出産するまで続き、体にさまざまな症状が現れるようになります。

今回は、妊活を考えている方などに向けて、妊娠に備えて心の準備をするために、妊娠するとホルモンバランスはどう変わるのかを中心にご紹介していきます。

 

通常のホルモンバランスとは

体内では実にたくさんのホルモンが作られていて、その作用もさまざまです。

その体内で作られる女性ホルモンは、生理や妊娠・出産などに大きく関わる、卵胞ホルモン(エストロゲン)黄体ホルモン(プロゲステロン)があります。

いずれの女性ホルモンも、脳にある視床下部という部位から指令を受けて、卵巣から分泌されます。

 2つの女性ホルモンの働き

この二つのホルモンには、以下のような働きがあります。

  • 卵胞ホルモン

卵胞を育てたり、子宮内膜を厚くする。生理の1週間前位〜分泌量がアップし、排卵のときに分泌のピークになり、その後少しずつ減っていく。

  • 黄体ホルモン

子宮内膜の状態を整える。排卵後に分泌量が増え、排卵後1週間後くらいにピークを迎え、生理前に減少していく。

妊娠していないときは、これらの卵胞ホルモンと黄体ホルモンの二つのホルモンが交互に分泌量が増えたり減ったりすることで子宮内膜が剥がれ、毎月の月経が起こるという仕組みになっています。

 

妊娠初期にホルモンバランスは変化する

ではここからは、妊娠すると変化する主なホルモンについて解説しましょう。

妊娠をすると、女性ホルモンのである卵胞ホルモンと黄体ホルモンの両方の分泌量が増えたり、後述するhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)hPL(ヒト胎盤ラクトゲン)などの分泌など、妊娠前とは異なるホルモン環境になります。

卵胞ホルモン(エストロゲン)

この卵胞ホルモンは、妊娠していないときは、卵巣で作られ、卵胞の発育や子宮内膜に作用します。
しかし、妊娠すると今度は妊娠の維持が大きな役割になります。

また、卵胞ホルモンは、妊娠はじめのころは「妊娠黄体」(排卵のあとの卵胞が変化したもの)から分泌されます。

しかし、妊娠7週以降からは、今度は胎盤から作られるようになります。このように、妊娠すると、卵胞ホルモンは妊娠することによって、作られる場所が変わっていくのです。

卵胞ホルモンの分泌は妊娠中増え続けますが、分娩が終わるとその分泌量は激減します。

黄体ホルモン(プロゲステロン)

この黄体ホルモンも、妊娠すると分泌量が増えます。

そして、この黄体ホルモンが作られる場所も、はじめは妊娠黄体から作られますが、卵胞ホルモンと同じように妊娠8週目ころから産生場所が胎盤へ移行していきます

黄体ホルモンは、卵胞と同じように妊娠を維持させ、さらに胎盤を完成させて流産を防いでくれる役割もあります。

そして、出産前まで黄体ホルモンは増え続けて、出産後にはその量は急激に減少します。

hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)

このhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)は、妊娠していないときには作られない特殊なホルモンです。
妊娠すると、胎盤(絨毛)で作られるようになります。

このhCGは、妊娠初期には妊娠黄体を刺激して、卵胞ホルモンと黄体ホルモンを分泌させるように促して、妊娠を維持する働きがあります。
しかし、黄体ホルモンの産生場所が胎盤に移行すると、妊娠黄体を刺激する必要がなくなり、その分泌量も減っていくのです。

妊娠してはじめの数週間は、2〜3日ごとに倍に増え続け、妊娠8〜10週で20万IU/Lでピークの値になると、それ以降は減少していきます。

hPL(ヒト胎盤性ラクトゲン)

このhPLは、妊娠後、赤ちゃんの発育と成長を促し、赤ちゃんへの栄養補給を調整する役割があります。

赤ちゃんの成長に必要なエネルギーである「ブドウ糖」を、赤ちゃんに優先的に送るため、赤ちゃんの成長に欠かせないものになっています。

だいたい妊娠5週頃から作られはじめ、妊娠16週頃から妊娠末期に向けて急激に増加し分娩により、分泌量は激減します。

 体にどんな影響があるの?

このホルモンバランスの変化(黄体ホルモンやhCGの分泌)が、妊娠中のつわりを引き起こすとされています。
また、 hPLによって血糖値が上がりやすくなったり、プロゲステロンの分泌が増えることで便秘になりやすくなることもあります。

つまり、 ホルモンバランスの変化が重なることで、 妊娠を維持して赤ちゃんの成長を助けてくれますが、体の不調を引き起こすこともあります。

ただ、こういった体の変化を知っておくことで、妊娠初期に生じるさまざまな症状を理解するのにも役立ちますよ。

 

赤ちゃんを育てるための変化だと覚えておきましょう

このように、妊娠すると卵胞ホルモンや黄体ホルモンの分泌が増えたり、またその分泌される場所が胎盤に移行していきます。
そして、妊娠していなかったときにはなかった、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)やhPL(ヒト胎盤性ラクトゲン)が生産されるようになります。

いずれも妊娠の維持や胎児の成長に欠かせない変化になっていますので、不安視しすぎず赤ちゃんが元気に育つために必要な段階なんだと理解しておくと、気持ちが楽に保てそうです。

 

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