妊娠・出産後にPMSが悪化!?その原因と対処法5選

「妊娠・出産すると生理痛が軽くなる」なんて聞いたことはありませんか?
ひと昔前は当然のようにいわれていたのですが、女性のライフスタイルの変化も伴ってか、逆にPMS症状がひどくなったという話もあります。
そこで、妊娠を経てPMS症状が出現したり悪化する原因、その対処法を探ってみたいと思います。
PMS悪化の原因は?
PMS悪化の詳しい原因は解明されていませんが、妊娠・出産によるホルモンバランスの変化が原因ではないか?
特に、「黄体ホルモン(プロゲステロン)」の変動によるものではないか、といわれています。
通常は、月経が終わって2週間後くらいに排卵があり、卵子が着床できるように黄体ホルモンが分泌され子宮内膜は厚くなります。
その後、妊娠しないと体が判断したら黄体ホルモンは減少し、月経という形で子宮内膜が体外へ排出され、PMS症状は和らぎます。
妊娠による変化
妊娠すると、赤ちゃんの成長にともない子宮は大きくなり、赤ちゃんを守るため子宮内膜は厚くなっています。
このとき、お母さんの体の中では妊娠を維持させるため、特に妊娠前期から中期にかけて黄体ホルモンが多く分泌されますが、その期間は約8か月。
このように通常時と黄体ホルモンが分泌され続ける期間が異なるため、ここで変化が生じるのではないかといわれています。
それでは、妊娠を経験したのちに出てきたとよくいわれる症状を3つ挙げます。

排卵痛
排卵の時期に合わせて生理痛と同じような下腹部痛がある、という場合は排卵痛の可能性があります。
左右どちらの卵巣から排卵したかわかる方もいますが、それは排卵後に卵巣が少し腫れてしまうために起こるのです。
また、卵子が卵巣の薄い壁を破って出てくるため、少し出血が見られることもあります。
経血量の増加
妊娠・出産にともない子宮は大きくなり、子宮内膜も厚くなります。
そのため、月経時にはがれる内膜量が増えるため、経血量も増えるようになります。
イライラが強くなる
黄体ホルモンの変動は、体だけではなくメンタルにも影響を及ぼします。
排卵後に分泌される黄体ホルモンは月経直前になると低下するので、その頃にイライラがようやく落ち着くようになることが多くあります。
ちなみにこのイライラは、産後のストレスも要因として考えられますが、セロトニンという感情をコントロールする神経伝達物質にも変化が起こるのではないか、ともいわれます。
症状を緩和させるためにできること

日記を書く
いつ、どのような症状があったのか、簡単でいいのでわかるようにしましょう。どういった症状がいつ出てきたかを把握することが、快適に過ごすための大切な材料になります。
基礎体温を測定する
ホルモンバランスの変化によるところが大きいので、基礎体温を測定しましょう。
どのタイミングでPMS症状が現れるのか、測定結果が重要なヒントを与えてくれます。
食生活を見直す
カルシウムやマグネシウムは、イライラの症状を軽くするといわれます。
牛乳や卵、青魚や海藻類に多く含まれているので、積極的に摂取しましょう。
また、豆腐や豆乳に含まれるイソフラボンは女性ホルモンを調整する働きがあり、PMSにも効果があるとされています。
他にも、神経伝達物質にかかわるビタミンEを摂取するのもよいとされているので、アーモンドやブロッコリーなども摂りましょう。
必要な栄養が足りていない場合や、食生活が偏っているのであれば、それを見直すだけで変化が起こるかもしれません。
リラックスする
散歩やストレッチで体を動かしてリラックスしましょう。軽い運動をすることでリラックス効果が高まります。
運動中、意識して深呼吸をするのも効果的です。
代謝をよくすると循環もよくなり、体も温まりますよ。
運動する時間がとれない場合は、好きな音楽を聞きながらハーブティーを飲む、というのもおすすめ。
気分転換ができるとホルモンバランスにも変化が見られ、自律神経のバランスも整います。
症状がひどい場合は受診する
日常生活に支障がでるほどの症状であれば、婦人科などで医師に相談するのも手です。症状によっては、低用量ピルを服用することで楽になるかもしれません。
お子さんも自分も大切に
2人目、3人目のお子さんを、と妊活を考えている方も、PMSやイライラや症状の辛さでしんどくなってしまう前に自分の体調を省みることが大切です。
家族が増えた喜びはあっても、母として育児に携わる大変さは変わりません。
だからこそ、PMSがきつくなったかも!と思った時には、自分の体もいたわってあげましょう。
自分のホルモンバランスを見極めて調整しながら、また、時にはパートナーや家族に時には甘えて無事に育児生活を乗り切りましょう。