体を支える3つのバランス、漢方における「気」とは?

漢方の基本

弱った身体を改善するときに、漢方の力はなくてはならない存在ですが、漢方は一体どのような作用で身体の不調を改善してくれるのでしょうか。

 漢方の柱は「気」「血」「水」

漢方は主に「気」「血」「水」の3つから成り立っており、3つ全てがバランスよく身体をめぐることによって、健康な状態を保つことができます。

今回は漢方を支える 3つのバランスの一つ、「気」について解説していきます。

 

漢方における「気」とは

「気」「血」「水」の3つから漢方の考えが成り立っていることは分かっているけれど、「気」とは一体何を指しているのでしょう。

「気」とは、人の身体の神経、精神、機能などをつかさどる自律神経のことを指します。
人は考えすぎたり、悩みすぎたりすると体調を崩してしまうことがありますが、「気」がダメージを受けると身体のバランスが崩れてしまいます。

気の役割

「気」とは決して目にみえるものではありませんが、人の身体を動かすために重要なエネルギー。
全身を巡りながら人の身体を支えるいわば原動力です。

どんなに身体そのものに元気があっても、人は精神的に病んでしまうと身体のバランスも崩れてしまいます。

「気」についての診断は主に、 下記のような要素が深く関係しています。

  • 体内にエネルギーは足りているのか?
  • 問題なく動かすことができるか?
  • ストレスなどが身体に溜まって悪影響を及ぼしていないか?

身体を健康的な状態に保つためには、精神面も安定することが必要不可欠ですから、「気」がいかに重要な存在かがわかるかと思います。

 

「気」に異常があるとどうなるの?

「気」に異常がみられると、さまざまな症状が現れ、イライラしたり、眠れなくなったり、やけに気分が高ぶってしまったりします。

もしも、「気」に異常をきたしてしまったら、大きく分けて3つの状態に陥ることがあります。

気の異常である 「気虚」「気滞」「気逆」について、それぞれ次のように特徴などをまとめてみましたので、症状に心当たりのある人は頭の片隅にでも置いてみてください。

気虚(ききょ)の場合

「気虚」になると、身体のだるさ、食欲不振、無気力、風邪をひきやすいなどの症状が現れるため、身体が疲れやすく横になりたがる人が多く見られます。
主に、エネルギーが不足することにより現れる体調の変化です。

気虚を漢方の力で改善するには、滋養強壮の効果がある朝鮮人参や甘草(かんぞう)、百朮(びゃくじゅつ)や黄耆(おうぎ)などの生薬を取り入れるとよいでしょう。

 気虚の原因

気虚の主な原因は、睡眠不足や過労、老化、長期におよぶ病気などがあげられます。

気虚の場合、「気」を作るといわれる胃腸の働きが落ちていることも多くあります。
消化の良い物を食べて、油っこい物、冷たい物、刺激の強い物は避けるなどの配慮が必要です。

気滞(きたい)の場合

「気滞」になると、息苦しさを感じる、おなかが張ったような感覚を感じる、喉になにかがつまったような感覚になる、頭がズシンとした重みや痛みを感じることなどがあります。
他にも女性特有の症状として現れる、乳房の張りや生理痛、生理不順などもあります。

「気」の流れに滞りがあるため、スムーズに気が流れずにエネルギーが停滞してすることで起こります。

精神活動に滞りがあることで現れる気滞を漢方の力で改善するには、気の巡りをよくする作用があるといわれる半夏(はんげ)、香附子(こうぶし)、厚朴(こうぼく)・薄荷(はっか)を取り入れるとよいでしょう。

 気滞の原因

気滞の主な原因は、精神的なストレスによるものが多いのですが、現代社会においてストレスはきってもきれないもの。

ストレスを溜め込まず、適度に発散したり、リラックスして休憩を取ることを心がけることが必要です。

気逆(きぎゃく)の場合

「気逆」になると、不安な気持ちになる、のぼせ、動悸、発汗などの症状が現れます。

下半身はとても寒く感じるのに、上半身がほてって熱さを感じることを「冷えのぼせ」と言いますが、気逆の時に「冷えのぼせ」の症状で悩まされる女性も多いようです。

気逆を漢方の力で改善するには、気をさげる作用のある生薬、シナモンや黄連(おうれん)を取り入れるとよいでしょう。

 気逆の原因

気逆は「気」の上昇とも言われ、本来なら上半身から下流しなければいけなかった「気」が、逆の方向に流れてしまうことが原因です。

 

 健康な体を保つには「気」を整えることが大切です

漢方における「気」の考え方は、目には見えないものの身体が元気である条件のひとつ「精神面」が主に関係していることだと分かりました。

内臓などの身体そのものはもちろんのこと、精神的にも安定していなければ、身体は元気を失ってしまいます。
元気はつらつでいるために、「気」が正常になるように心がけることを大切にしていきましょう。

 

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