現代を生きる私たちに必要な「セルフコンパッション」

女性のストレスや悩みは、年齢とともに形を変えていきます。
■20代はじめ
希望の仕事をさせてもらえないことや、環境になじめないことなどから、理想と現実のギャップに悩んできたかもしれません。
■30代に差し掛かるころ
それぞれの女性の仕事のキャリア、結婚、妊娠など、生き方に違いが現れだすときです。
結婚や出産のリミットに焦ったり、育児中の女性は思うようにキャリアが積めずに焦ったり、みんながどこかで周りと自分を比べてしまいがちです。
また、キャリアを重ねて、責任感ある仕事を任せられるようになってきたことでプレッシャーが強くなり、ストレスで心身のバランスを崩すこともあります。
もしも、疲れやすい、だるさが取れない、気分の浮き沈みが激しい、PMSがつらいと感じるようになってきたら・・・あなたも悩みを感じやすい年代に差し掛かっているのかもしれません。
セルフコンパッションが自分自身を守ってくれる
セルフコンパッションは「自分への思いやり」のこと。
自分に優しく、欠点、短所も含めたありのままの自分を受け止めることです。
「自分に自信がない」
「自分のことが好きになれない」
そんな風に悩んでしまうあなたには、ぜひセルフコンパッションを意識してみることをおすすめします。
意識して欲しい3つの要素

あるがままの自分を受け入れるために、次のセルフコンパッションの3つの要素を意識してみましょう。
- 自分への優しさ
自分を思いやることが、良い結果につながる。
- みんな共通の人間性
自分は周囲の人間関係の中で生きている。
誰もが不完全なところをもち、時には失敗して、他者とつながり、世の中が回っていることを理解する。
- マインドフルネス
今この瞬間に自分が存在していることを感じる。
イライラしたり、不安な気持ちのまま行動するより、まず自分の感情と思考に気づく。
自分がどう考えているか、どう感じているかに目を向けることで、自分で自分を批判していることに気づき、自分自身を思いやることにつながる。
セルフコンパッションで、なにが変わる?
セルフコンパッションを高めることで、何かミスをしたり、ネガティブな評価を受けた場面でも、自分を責めたり、自分の存在価値が揺らいだりすることなく、自分の今の状況を冷静に受け入れて、改善に向けた行動に移ることができます。
自尊心を保ち続けるために他人の評価に頼り続けるのは、失敗やネガティブな評価を必要以上に恐れてしまうことになり、つらいものです。
そこで、セルフコンパッションを意識することで、周りの評価に左右されず、自己肯定感を保ち続けることができます。
また、ネガティブな思考、感情を無理に直そうとしたり、消そうとすることはありません。
あるがままの自分と向き合いましょう。
これまでよりもずっと、生きやすくなってくるはずです。
なぜ、セルフコンパッションが必要なのか
女性の悩みとして多い、からだとこころの不調であるPMS。
特に30代に差し掛かる頃に、精神的な面が気になりだす人が増えます。仕事や家庭のストレスによって、イライラしたり落ち込みやすくなるなど、こころの不調が目立ちやすくなるのです。
また、完璧主義や几帳面な人ほど、ストレスをため込む思考が癖になっていて、PMSの症状を感じやすくなるといわれます。
仕事や家庭でも、周囲に理解されなかったり、自分の今の状況を人と比べることで、孤独感がつのり、
- なんで私ばっかりが・・・
- 誰にもわかってもらえない・・・
という気持ちを一人で抱えてしまうこともあります。
男性と比べ、結婚、妊娠、出産、育児などライフイベントの影響を受けやすく女性だからこそ、セルフコンパッションが必要なのです。
自己肯定感をもつことの大切さ

- 自分のことをわかってもらえる、認めてもらえる
- 自分のいいところ悪いところ、すべて受け入れてくれる
周囲の人と接する中でこのように感じられると、安心できますよね。
いいことはいいと褒め、悪いことも受けとめ、どうすれば幸せになれるか一緒に考えてくれる人が 周りにいるのは、とても心強いことです。
- 「自分は生きていていい」
- 「自分には価値がある」
- 「自分は自分でいい」
実は、このような自己肯定感を高めるには、周りに認めてもらうよりも、自分で自分自信を認めてあげることの方が大事です。
周りの人が自分を認めてくれても、自分でそれを受け入れることができなければ、生きづらさが付きまとってしまいます。
自分を褒めること
自分を褒めることに慣れておらず、「自分を褒めるなんて恥ずかしい・・・」と感じてしまう人も多いのではないでしょうか。
できないことの方が目に付いて、逆に自分を責めてしまったり、自分を褒めることに抵抗感を持ってしまうのは、 日本人の価値観が根付いているからかもしれません。
ネガティブな印象のある「甘え」という言葉は日本特有のもので、日本語の甘えをぴったりあらわすことのできる外国語はないといわれています。
「小さい頃から、社会に出るようになった今も、甘えるな、もっと頑張れと叱咤激励される場面はたくさんありますよね。
「頑張ること」「我慢すること」「耐えること」が美徳であるとも考えられています。
けれど、そんな社会で生きてきたからといって、頑張り続けなければいけない!休むことは甘えだ!と罪悪感を感じる必要はありません。
自分を気遣うことができるのは、なによりも自分です。疲れたら休むことも大切ですよ。
自分に優しく
- 子どもに優しくする心。
- 親や祖父母に感謝して、労わる心。
- 友達が困っていたらそばにいて話を聞いたり力になりたい、助けたいと思う優しい心。
そういった優しい心を、自分にも向けてあげようというのが、セルフコンパッションの考え方です。
自分に優しくすることは、自分と向き合うことに繋がります。
今感じている苦しみや傷ついた心に気づいて、その状態を受けとめてあげましょう。そしてなにより、自分の頑張りを労ってあげましょう。
一人で抱えないことも大切

セルフコンパッションは、自分を思いやる心を大切にしたセルフケアで、自分にとっての幸せとは何かを見つめ、幸せに向かって成長していく方法です。
セルフコンパッションを意識し、まずは、今ある自分のつらさに気づきましょう。
周りに合わせ、自分のつらい気持ちに見て見ぬふりをしていれば、いつか心は悲鳴をあげてしまいます。
つらさに気づいたら、一人で抱えず誰かに頼っても大丈夫。
女性ならではの悩みは尽きないものですが、悩み苦しんでいるのは、決してあなただけじゃありません。
自分一人で何でも片付けようとするのでなく、共有して周囲とつながっていくことも大事です。
気づいていないかもしれませんが、あなたがいることで救われている人は必ずいます。
もちつもたれつ、お互い様の関係で、世の中は成り立っていることを覚えておいてください。
自分を大切にすることは、他人を大切にすることにつながり、他人に優しくなれる自分に対してもまた、優しい気持ちを持てるようになります。
このように良いサイクルの中で、心地よく生きていくために、ぜひセルフコンパッションを意識してみましょう。