漢方の力で内側からしっかり治そう!

漢方の力を借りると、表面だけでなく身体の内側からしっかりと治すことができると言いますが、漢方には一体どのような力が隠されているのでしょうか?
漢方の基礎知識を、西洋医学との違いなどと合わせてご説明します。
漢方の基礎知識
漢方という言葉を耳にすることは多いものですが、どういったものを漢方と呼び、どのような薬が漢方薬といわれるのかまではなかなか知らない方も多いと思います。
漢方においての基本は以下のとおりです。
漢方について
漢方とはその昔、中国から日本に伝わった医学をもとに、日本人に合わせておこなってきた治療法のことを「漢方」と呼びます。
漢方の歴史は古く5~6世紀のころに伝来したと言われます。
- 「漢」は中国を指します。
- 「方」は治療法のこと、つまり「中国の医学」が日本に伝わったということを意味しています。
漢方による一般的な治療法は、「病気になる前に予防する」といった観点に着目し、身体を内側からしっかり治すというのが基本です。
漢方薬とはどんな薬?

漢方薬とは、もともと自然界のなかにある植物や鉱物といったオーガニックな素材を、数種類組み合わせて作られたものです。
現在、病院で処方される漢方薬のほとんどが健康保険適用の医療用漢方製剤で、じつに148処方が厚生労働省の承認をうけています。
基本的に漢方薬は病院で処方されるものですが、より手軽に手に入れることができる、漢方の考えをもとに作られた和漢素材を配合したサプリメントなどもあります。
西洋医学と漢方、それぞれの考え方は?
漢方とよく比較されるのが、現代治療法として馴染み深い西洋医学です。
では、西洋医学とは具体的にどういった考え方の医学を指すのでしょうか。また西洋医学と漢方では、どのような違いがあるのかを調べてみました。
西洋医学の考え方
現代における医療機関での主流は、西洋医学になります。
西洋医学の考え方の基本は、「身体に悪いところがあれば、悪い部分をメスなども使用した手術などで取り除き、投薬などをおこなって治していく」という病気をピンポイントで治していく治療法になります。
漢方の考え方
漢方の考え方の基本は、大きく2つ。
- 身体の悪いところがあれば、その人の体質や症状を考慮しつつ、自然の力である生薬と自然治癒力を利用して内側からしっかりと治していく
- 体の不具合と考えられる原因を見つけて、病気の予防もおこなう
このように、身体の不調の原因を根本的に治すことが基本になります。
考え方以外にも違いがあります
西洋医学と漢方でも医学の最大の相違点は、先に述べた治療法の部分にあります。
では具体的に、西洋医学と漢方での相違点によって具体的にはどのような違いがでてくるでしょうか。

病気の治療にかかる時間
病気などで悪い部分があれば、即座にメスなどで手術をおこなう西洋医学の場合、病気自体を取り除くといった観点でみれば時間もかからず、スムーズに対処することができます。
漢方の場合は、その人の症状や体質など様々な視点から見たうえで、手術などをおこなわずに、じっくりと時間を費やしながらも身体の内側から治していく治療法です。
そのため、効き目が現れるまでに数か月の期間を要することもあります。
病気を治療する意味だけでみれば、西洋医学は処置をスムーズに、漢方はじっくり向き合うといった違いになります。
病気への対応の仕方
病気になったとき、西洋医学であれば病気と思われる場所をできるだけ早く取り除いて、身体の不調を改善するというピンポイントで対応することになります。
漢方では病気と思われる部分を取り除くのではなく、まず、身体のなかでどのような原因により病気になっているのか?を探ります。
原因を探ったうえで、体質などを考慮し一人一人にあった生薬を選び、人本来の自然治癒力と合わせながら身体の内側から根本的に治していく対応です。
西洋医学は病気そのものを取り除くこと、漢方は病気の原因となる根本的な部分からを治していくことといった違いがあります。
薬の違い
西洋医学で使われる薬は、基本的に単一成分で作ったもので、病気や症状に対して強い効果を発揮しますが、一人一人の体質や症状を考慮しているわけではないので、副作用などがおこることもしばしば。
西洋医学の薬とは対照的に、漢方で使われる薬は複数の生薬を一人一人の体質や症状を見極めた上で量なども調整していくため、副作用も比較的少なめです。
西洋医学の薬は、効き目はある分、万人向けにつくられているので副作用も出やすく、漢方の薬は、一人一人にあった自然由来の力と自然治癒力を併用していくことから効き目は緩やかな分、副作用は少なめとなります。
身体に優しい治療法が漢方です
漢方では、メスを加えずに病気を治すといった考えが基本のため、メスを使って病気の部分を取り除く西洋医学よりも、治るまでに時間もかかります。
しかし、漢方による治療は、なによりも患者さんの立場になって治療にのぞむ姿勢なのがポイント。
病気になっている原因を探り、つぎに同じ病気にならないように身体の内側からしっかりと予防をしながら治していくという身体に優しい治療法です。
人にとって、負担が少なく身体に優しい治療法となるのは漢方の力に頼ってみてはいかがでしょう?