辛い生理痛、自分はどのタイプか知ることから始めましょう。

朝起きるのも辛いほど体中にだるさを感じたり、少し歩くだけで疲れたり、とにかく億劫な気分になったり…月に1度の生理の辛さは、女性にしかわからないものですよね。
誰かに相談しにくいからと、辛い生理痛を抱えながらも、我慢して過ごしているという人も少なくないかと思います。
私も成長するまでは、自分の生理痛の状態をしっかりと把握しておらず、痛いな、と思いながらも、その期間をとにかく我慢して過ごしていました。
生理は人によって異なる
そんな生理ですが、人によって症状がまったく違うということは知っていますか?
- 学校や会社に行けないほど症状が重い人
- 逆になんだか気分が上がってハイになるという人
こういった真逆の症状が起きることもあり、自分の知っている生理だけでは体感できないことも多くあるようです。
生理と毎月どう付き合っていくかは、仕事・育児・家事なども頑張る今の女性にとっては、切っても切り離せないもの。
今まではなんとなく生理痛をやり過ごしていたという人も、まずは、月経によって起こる自分の体の変化について改めて考えてみませんか?
そうすることで、自分の生理のタイプをよく知ることができ、今後、自分らしい「生理との付き合い方」が生まれるかもしれませんよ。
生理の痛みは主に3種類!

腹痛
重りを乗せられたような鈍痛がしたり、お腹が裂けそうなくらいのするどい痛みが走ったりと、辛いお腹の痛み。
時々、下腹部が締め付けられるような痛みを感じることがあるかと思いますが、これも生理によって起こる腹痛の一種。
腹痛と同時に、下痢や吐き気を併発している方も少なくないかと思います。
お腹に関する生理痛は、「プロスタグランジン」という体内の物質が過剰に分泌されることで起こります。
プロスタグランジンが働くと、子宮を収縮させることで血の排出を促してくれますが、生理中に過剰に分泌されることで周囲の血管にも作用し、血流が悪くなってしまうのが腹痛の原因です。
腰痛
腰に生理痛の症状が現れると、鉛を入れられたような重みを感じたり、常時痺れるような感覚があったり、ズキズキと鈍痛を生じることがあります。
女性に特に多い、冷え性体質の人や、 ストレスを溜めやすく自律神経が乱れやすい人は要注意。
腹痛と同じく「プロスタグランジン」が原因で起こる腰の生理痛です。
これは、プロスタグランジンの働きによって、骨盤内の血管などが収縮するのが原因。全体的に血流が滞っていると、腰回りの痛みやだるさが強くなり、生理痛の症状が悪化してしまいます。
頭痛
頭が割れるようなズキズキとした痛みを感じたり、体を動かすことで響くような痛みを感じるなど、人によって痛み方の変わる生理の頭痛。片頭痛の症状に似ているので、生理痛と気づかずに生活している人も多いようです。
頭痛が長引きやすい体質の場合、生理の2~3日前から症状が現れます。
この頭痛の原因は、「プロスタグランジン」ではなく、女性ホルモンの一種である「エストロゲン」の分泌量の増減が関連しています。
エストロゲンは、生理が始まると同時に分泌量が減りますが、一緒に「セロトニン」という脳内物質も減少していきます。この働きによって、脳の血管が急に拡張して頭痛が起こってしまうのです。動くと頭痛の症状がひどくなるという人は、血流が良くなりすぎて頭痛が起こっている場合もありますので、あまり体を温めすぎないのがおすすめです。
心の変化も生理症状の一つ

気分の落ち込み、苛立ちなど
生理期間中は、憂鬱な気分になったり、普段よりもイライラしやすいという人も多いかと思います。
実は、感情のコントロールがうまくきかないというのも、生理症状の一つ。生理中は、いつもは気にならない些細なことが気になって神経質になりやすくなります。
この症状は、「エストロゲン」「プロゲステロン」という、2種類の女性ホルモンのバランスが乱れることによって起こります。
また、生理前に症状が表れ、生理が始まると気分が落ち着く、という人はPMS(月経前症候群)の可能性があります。
将来のためにも知ってほしい、生理のこと
生理期間中は、体の状態やホルモンバランスが大きく変化するので、普段健康な人でも、頭痛や腹痛といった複数の症状に悩まされることもあります。
私が思うのは、辛い生理に悩んでいる人にこそ、まず、生理中に体にどんな症状が出ているのかを知ってほしいということです。
今の自分の状態を知ることが、自分の生理とうまく付き合っていくための第一歩。
体調によって、生理痛の状態が変動することもあります。毎月定期的に起こることだからこそ、自分の生理の状態をよく知って、調整できるのが一番です。
変化に合わせることが大切
今は生理期間に起こる痛みやつらさがほとんどないという人も、加齢や生活習慣、環境の変化、妊娠、出産によって症状が変化していくこともありますので、ぜひ、女性ならではの知識として知っておいていただければと思います。
そして、日常生活に支障をきたすほどに生理痛がひどかったり、心の状態が不安定になる人は、ぜひ無理をしすぎないように、生理期間中は意識して休息をとり、自分を大切にしてくださいね。
こんな時は無理せず婦人科へ

もし、毎月の生理痛が動けないほどひどい場合や、鎮痛剤を服用しても効かない場合は、婦人科などの専門医の診察を受けるのも大切です。
女性が抱える生理痛の多くは、上記のようなホルモンバランスの乱れから起こる「機能性月経困難症」ですが、この他に、「器質性月経困難症」があります。
「器質性月経困難症」では、子宮内膜症・子宮筋腫・子宮腺筋症といった、子宮の病気が原因になって痛みなどを引き起こします。
厄介なのは、この「器質性月経困難症」も通常の生理痛と変わらない症状が起きること。症状が進行すると、下腹部の強い痛みやめまいなどを起こしたり、経血の量が増えることもあります。
放っておいてしまうと症状が悪化し、日常生活を送るのが難しくなりますので、専門医にかかって適切な治療を受けることが必要です。月経による生理痛の自覚症状がひどくなってきたら、ぜひ迷わずに専門医に相談してくださいね。
感じる辛さはあなた基準で大丈夫

はじめに話したように、生理によって起こる症状は人によって大きく違いがあります。
ですから、自分の症状をよく知り、自分を労ることが、月経痛を和らげるためのセルフケアになります。
もし、周りのみんなは平気そうにしていても、自分が辛さを感じているのなら、それがあなたにとっての正しい感覚なんです。
私だけ甘えすぎ?なんて考えすぎなくても大丈夫。
ぜひ、リラックスできる時間を増やしたり、ゆったりと体を休めたりすることや、無理をしないように過ごしてみてください。
我慢のしすぎは不調のもと
また、普段の生活からストレスや疲れ、体の冷えを溜め込むのも不調のもと。
生理期間中はもちろん、日常生活から自分を労ってあげてくださいね。
また、鎮痛剤などの市販薬を用いても症状が落ち着かないなどの不安があれば、無理をせずに早めに婦人科を受診するようにしてください。
今後もPMS(月経前症候群)についてのお話を中心に、普段の生活ではなかなか口にはできないお悩みの声なども順次お伝えしていきます。